another voice
『シリアの娯楽』
「
シリアにはこれといって娯楽はありません。
首都ダマスカスで生活していますが、
日本に比べると娯楽がすごく限られるのを感じます。
日本で娯楽スポットとして考えられるものだと、映画館が数件あるってくらい。
お台場とかみたいなアミューズメントパークなんてもちろんないし、
ゲームセンターもお洒落なショッピングモールも、シリアには存在しません。
「シリア・ウォーカー」とか「ぴあ・シリア編」みたいなのがあったら、おそらく記事は数ページでしょう。
「この国の人たちは、暇なとき一体何して過ごすんだろう?」
気付いたことがあります。
彼らは何もしてないです。
そもそも、暇なとき「何かをする」ってこと自体、この国ではあまり考えられてないようです。
「やることがないときは何もせず、家族や友達と家や公園でゆっくりする。」
これがこの国のやり方みたいです。
だから、休みの日に街に出たりすると、すんごいガランとしていて驚きます。
(日本とは全く逆ですね。もちろん宗教的なバックグランドもあるわけですが・・・)
そのかわり公園にいったり民家の前を通ったりすると、人で溢れています。
そのせいか、この国では日本よりも見えやすいところに
家族の団欒とか友情というものが存在している気がします。
公園で家族一緒にお弁当を広げている人たちは本当に幸せそうだし、
道端でお茶を飲んでいるおっちゃん達も妙に楽しそうです。
日本と比べて、その辺の考え方や行動の違いが僕にはすごく新鮮でした。
家族の団欒の光景は、ほんといいものです。
写真はずいぶん前に撮ったハマという街の親子の写真です。
」
Alone in Syria... ~青年海外協力隊の活動記~ 2006