エジプトを読む
『時代の風』
前大統領ムバラクを退陣に追い込んだ「革命」から2年半近くを経たエジプトは、いまだ混迷の中にある。
昨年6月にはエジプト初の自由選挙で選ばれたムルシが大統領に就任し、12月には新しい憲法が国民投票で承認された。軍政から民政への移行が実現したことは大きな前進だが、国内の政治的亀裂はむしろ拡大し、デモや衝突が絶えない。
経済は崩壊状態で、燃料をはじめ生活物資は不足し治安も悪化している。多くの国民は疲れ果て、将来への希望を見失いかけている。
不満の矛先はおのずとムルシの支持母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団」へと向かう。イスラム主義者の支配を嫌う世俗・リベラル派に限らず、同胞団への失望の声は、エジプト社会のあちこちから湧きあがりつつある。
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