世界遺産~sekaiisan~
『世界遺産sekaiisan』
シリア中部ホムス県にある世界遺産の要塞「クラック・デ・シュバリエから黒煙が立ち上る映像が12日、動画共有サイト「ユーチューブ上に投稿された。
ホムスはシリアの内戦で政府軍と反体制派の激戦地となっており、反体制派が投稿したこの画像によれば、クラック・デ・シュバリエは政府軍の空爆を受けたとみられる。画像からは、少なくとも1回の空爆があり、要塞の塔の1つが破壊されたことが分かる。要塞の内部を映した別の動画も投稿されており、空爆で天井に大きな穴が開くなど大きな被害が出ている様子がうかがえる。
反体制派のシリア人権監視団によるとこの空爆は、反体制派がクラック・デ・シュバリエを拠点として、バッシャール・アサド大統領を支えるイスラム教アラウィ派の村クマイリを襲撃し住民を殺害したことへの報復とみられるという。
クラック・デ・シュバリエはかつて十字軍によって建造された要塞で、国連教育科学文化機関の世界遺産に登録されているが、内戦により甚大な被害を受けたとして前月、「危機遺産」に指定されている。
「危機遺産」
国連教育科学文化機関は、シリア国内にある6つの世界遺産について、2年以上続く内戦により甚大な被害を受けたとして「危機遺産」に指定した。
シリアには、ダマスカス、ボスラ、アレッポの3古代都市と、パルミラの遺跡、クラック・デ・シュバリエとカルエッサラー・エルディンの城、シリア北部の古代村落群の計6つの世界遺産がある。
しかしユネスコの世界遺産委員会は、カンボジア首都プノンペンで開いた会合で、6つ全てを「危機遺産リスト」に登録。文書で「シリアにおける武装紛争状態のため、6つの世界遺産の『顕著な普遍的価値』を確実に保全・保護する条件が失われた」と発表した。 2013年6月